中国の伝統衣装 漢の篇

日々

こんにちは、🌼です。久しぶりのブログ記事になるけど、シリーズ篇にしていくと思っている。テーマは「中国の伝統衣装」、中国の長〜い時代の中、漢や唐、宋といった代表的な時代を選んで、伝統の衣装や飾り付けなどを紹介していく。

なぜ中国の伝統衣装か

このテーマのシリーズを始めたいきっかけは、近年の中国国内の伝統衣装トレンド・ブームにある。

日本は着物も浴衣も、袴も、色々日常と非日常に着る衣装がある。日本人から見るとこれらの衣装は伝統衣装でないかもしれないが、外国人の私から見ると、日本しかない、歴史豊かな伝統衣装だと思っている、ちょっと羨ましいと思っている。

一方、中国も伝統的なモノが多いものの、衣装に関しては、歴史が長い反面、色々な時代の衣装が存在していて、その中どれが中国を代表する伝統衣装なのかと聞くと、人ぞれぞれの答えがあるだろう。

ただ嬉しいこと、近年の中国国内で、伝統衣装、あるいは古代衣装の登場が増えている。写真館で個人のアルバムを撮る時もあれば、祝日やイベントに着る時もある、それを日常のお出かけの衣服に使う人もいる。しかも、中国国内だけではなく、偶に日本にでも見かけることがある。

こういうトレンドを見ながら、”これって、伝統衣装なの?”、”これはいつの時代のモノなんだろう”、”なぜこういうデザインになっているんだろう”、とか思わず聞きたくなる。だからこのシリーズを作りながら、私自分の知りたいこともクリアしていこうと思った。面白いシリーズになるといいね:)

漢の篇

漢はどんな時代だっけ

中国人は漢民族とも呼ばれているので、漢という時代は中国の歴史上、もっとも重要な時代の一つと言えるだろう。また、中国伝統衣装は「漢服」とも呼ばれることが多いため、まずは時代の順番などを気にせずに、漢からスタートしたい。

漢は、日本の弥生時代よりも古い時代の王朝だった。具体的に、今から2200年前の紀元前206年から220年までの王朝で、秦の時代の後に位置付ける。劉邦によって建てられて、400年以上続いた時代・王朝だったため、文化も経済も安定に発展できた時代だった。

ちなみに、その時の中国の地図はこんな感じ、漢の王朝の都は西安にあり(秦と同じ)、その時の中国の政治や経済の中心は西北部にあったね。

赤い部分は当時の中国(漢)の国土

漢の衣装

先述のように漢は400年以上続いた時代・王朝だったため、長い時間の流れの中に、衣装の変遷もあった。例えば劉邦が国を作った当初は、王族や貴族も、一般も人でも、質素な服を着ていた。その後の経済や文化の発展により、服の種類も色も、飾り物も増えていた。

漢王朝が始まった時の劉邦の像

劉邦の像から分かるが、皇帝であって、当時の冠も、衣装も、質素なモノだった。

一方、劉邦を除く漢の最も有名な皇帝の漢武帝(七代目の皇帝)の時になると、より複雑で綺麗な衣装になっていた。

漢武帝像

ここでは、主に中期の漢王朝の衣装を紹介したい。

漢の時代の衣服は、3点特徴がある。

まずは、「レイヤーが多い」。中国の北西部は冬の気温はマイナスにもなるため、都が西安にある漢の衣装は、3層になっていることがほとんど。

レイヤーが多い

ちなみに、この画像の衣服の模様は、「茱萸紋」。「茱萸」は一種の植物で、悪いモノや病気などを遠ざけるという意味があるため、模様として使われている。

中国の伝統模様に関心があれば、こちらのブログ記事も読んでみると色々見れるよ

次に、「上が短い、下が長いのが一般的」。男女問わず、漢の一般的な人が着る服は基本的に上着が短め、下は長い裙(スカート。男性でも)。貧乏な家の場合、上も下も短いのが多い。

最後に、「色を重視する」。漢の王朝では、固定した色のパターンがある。季節に合わせて着る衣服の色を変えている。中国語で言うと”春青、夏赤、秋白、冬皂(黒)”となる。また、紫、紺は王族や貴族だけの色とでいった規制が作られて、一般的な人は緑の服が多く、またはほかの色。

また、漢の時代で、有名な衣装として「留仙裙」がある

現代の言葉というと、折り目が多いスカートだね。留仙裙の名前は、仙女(天女)を留めるという意味がある。

名前の由来は以下のエピソードがある:漢の12代目の皇帝の漢成帝の皇后/愛妃の趙飛燕(ちょう ひえん)はダンスが上手く、よく皇帝のために踊ってる、ある日天候が悪く、風が非常に強い中、踊っている趙飛燕は体が軽いため、風に飛ばれそうになった、その際に周りの人たちが彼女のスカートの裾を掴まえてその場に留めた。その後、スカートに折り目がたくさん入ったにもかかわらず、おしゃれだと思われて、結局折り目がいっぱいの「留仙裙」が有名になった。

発掘された土偶
漢の時代の舞台劇

今日は一旦ここまでにとどめる。漢の時代では、男性は冠または”巾”(布)を頭にかける/つけることが多い。冠の種類も約10個まである。ここでは一旦省略したいと思うが、もし興味がある方がいれば、コメントをいただければ補足する。

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