最近カメラについて考えていて、GRが本当に良いカメラだと感じることが多くなりました。
まとまりのない内容かもしれませんが、写真も交えながら考えを書いていきます。この記事の写真は全てGR2で撮影したものです。
いつでも持ち歩けることに価値がある
どんなに性能の良いカメラであっても、写真を撮りたいと思ったとき、そこにカメラがあり、シャッターを構えられなければ写真は撮れません。
たった250gの軽さで、レンズが完全に収納されてポケットに収まり、一瞬で起動するから撮影できた写真がたくさんあります。もし大きな一眼ミラーレスとズームレンズを選んでいたら撮れなかったシチュエーションが多いです。
誰もがスマホで写真を撮る時代で、スマホで撮影すればいいという人もいるだろうけど、どれだけスマホが進化してもカメラの画質には敵わない。
GR2は2015年のカメラで、センサー性能は2013年の初代GRと同じです。最新のスマホでも11年前のGRの質感には敵わない。ここで言う質感というのは解像度のことではなく、色や階調の豊かさ、立体感など、光学的な性能がないと再現できない部分のこと。
ただコンパクトで使いやすいだけではない、ローパスフィルターレスのAPS-CセンサーとGRレンズは今でも価値があります。
撮って出し写真で満足できる素晴らしさ
写真の楽しみ方は人ぞれぞれだと思いますが、私が思うのは
- カメラを使って写真を撮ること
- 撮った写真を印刷して楽しむ、SNSで共有する
この2つが写真体験の一番重要な部分だと思います。写真を趣味にし始めると、撮った写真をレタッチして自分好みに仕上げることを始めたりすると思いますが、PCに向かってレタッチする時間は楽しいけどそれに時間を使いすぎるてはいけないと思います。
自分の限られた時間のうち、写真を楽しんでいる時間の濃度を増やしたいと思うなら、撮って出し(カメラが出力したままの写真、レタッチなし)で満足できるカメラを使うのが究極形だと思います。
私はGRで撮る写真の殆どがGRシリーズに搭載されているエフェクト「ポジフィルム調」で撮っています。これが本当に雰囲気のいい写真が撮れます。私がGRⅡを使い続けるのもこのポジフィルム調エフェクトがあるから。このエフェクトはGRⅢ以降で少し色合いが変わってしまい、改悪されたという声も聞きます
フルサイズのどんなにハイスペックで高画質なカメラの写真と比べても、結局この色が好きだから使ってしまう。
ちなみに私はポジフィルム調の設定を、彩度+7、コントラスト+6、シャープネス+3にしています。
デジタルカメラは高画質から、自分らしい画質を求める時代に
すこし前からフィルムカメラのブームはありました。私もContax T2というフィルムカメラを愛用しています。さらに最近はオールドコンデジも流行り始めてきていて、高画質であることよりも自分の好きな雰囲気や色味で撮影できることを重視する傾向はどんどん強くなっています。
Youtubeなどを見ればわかりますがハイスペックな一眼(Sony α7R5など6000万画素レベルのカメラ)を使っている人も、あえてオールドレンズを使ったり、ブラックミストフィルターなどの拡散系フィルターを使ってあえてエッジをソフトにするのが流行っています。つまり高性能なカメラに対して、あえて画質を落として写真の雰囲気を出すという、わけがわからない世界に入っています。
高性能なカメラに色々手を加えて苦労して理想の画に近づけるなら、撮って出しで自分の好きな画が得られるフィルムカメラやオールドコンデジを使いたくなるのもわかります。Jpegの色が素晴らしい富士フィルムのカメラが高価格でも売れているのは同じ傾向だと思います。この記事を書いているタイミングでLeicaも1700万画素のAPS-Cコンデジの新型を発売しました。デジカメはもはや単なるスペック競争ではなくなってきています。
この流れの中だからこそ、11年前のGRがより輝いて見えます。スペック競争ではなくなった中で、使い勝手やカメラが出す色味の価値が高まっている。自分も買った当初はいつかは買い替えるだろうと思っていましたが、まだまだ使えると以前よりも強く思います。
最後に
何が言いたかったかというと、もう世代遅れのカメラになってしまったRICOH GR2がとても好きで、その思いがより強くなっているという話でした。もしカメラを1台しか持てないと言われたら、GRを残したほうが自分の写真体験の豊かさ、幸福度は一番高いだろうと思います。
この記事を最後まで呼んで頂いた人にも、自分がいつでも持ち出したくなる使いやすさで、撮って出しで満足できるカメラを使ってほしいですね。
そのカメラはもしかしたらGRⅢかもしれないし、X100Ⅵかもしれないし、α7C2やLeica Q3かもしれません。
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