フィルムスキャンに欠かせない「Essential Film Holder」のレビュー

ガジェット

現代のフィルム写真家にとって欠かせないのは、撮影したフィルムをスキャンしてデータ化する作業です。そのときに使うお気に入りのフィルムホルダーをレビューします。

商品の概要

Essential Film Holder

こちらはEssential Film Holderというフィルムホルダー(フィルムをデジカメでデータ化する際にフィルムを平らな状態で保持するための機器)になります。

中心の四角い枠の裏から光を当てた状態で、デジカメでスキャンをします。

この商品はイギリスのAndrew Clifforthさんという方がが個人で製造、販売している商品です。フィルム写真関連のYoutuberの多くがこの商品を紹介していたのをきっかけに知り、購入してみました。価格は送料込みで65ポンド(執筆時点のレートで約1万円)です。

この商品でスキャンすると良い画質でデータ化できるのはもちろん、使いやすさも抜群で現時点でベストなフィルムホルダーだと思います。

フィルムホルダーってなに?

デジカメでデータ化するときは、マクロレンズでフィルムを撮影。

フィルムホルダーは上にも書いたとおり、フィルムを平らな状態で保持するための器具になります。フィルムは基本的に巻きグセがついていて、そのままでは丸まってしまうのでデータ化する際にきちんと画像面を写せません。

フィルムスキャナーやデジタルカメラでデータ化するときに必ず使う必要があります。

スキャナーでデータ化する際にも、付属のフィルムホルダーを使っています。このフィルムホルダーでも、フィルムが少し反っているのが光でわかります。
フィルムスキャナーの記事はこちら

フィルホルダーの良し悪しはフィルムをどれだけ平らにできるか、で決まります。

デジカメでデータ化する際にはマクロレンズを使います。マクロレンズは被写界深度が非常に狭いので、少しでもフィルムが反っていると画像面全体にピントを合わせることができずにピンぼけしてしまいます。

また、フィルムが反ることでフィルム画像面の光沢が写ってしまい、画質の劣化を起こします。

反ったフィルムをスキャンした画像。左が撮ったままの元画像、右が色反転をした後の画像。四隅。元画像でぱっとみてわからない程度の光沢ですが、色変換後には黒く残ってしまいます。

こちらの画像のように、反ったフィルムをスキャンすると四隅に白い光沢が写り込み、それをそのまま色反転することで黒い筋となって残ってしまいます。

もともとLomographyのDigitalizaという商品を使っていましたが、どうしても反りの問題を解消できなかったので、Essential Film Holderを導入することになりました。

Essential Film Holder詳細

黒色や白色のプラスチックの板をネジ固定しただけのシンプルな作りの商品です。

私が買ったのは自分で組み立てるタイプのものでした。

届いた状態。上の白い板が拡散板。左下が120フィルム用のホルダー一式、右下が135フィルムのホルダー一式

こちらのプラ板をねじに通して、ナットで固定して行きます。最後にボルトの先にゴムの滑り止めを貼って完成です。

上が135フィルム用ホルダー。120フィルムでスキャンしたいときは、135mmフィルムのホルダーを外します。

白いプラ板についた切り欠きがフィルムのガイドになっていて、切り欠きからフィルムが隙間に入っていくようになっています。入れていったフィルムがプラ板の厚みの隙間で保持されます。画像の周りをしっかりと押さえているのでフィルムが平らになります。また、光を通さず、反射しにくい黒い板で構成しているので、カメラのレンズのフレアが発生しにくいのもよく考えられています。

フィルムホルダーにフィルムを入れた状態で、裏側から光源を当てれば後はデジカメで撮るだけです。

私が使っている光源は富士フィルムのLEDライトボックスです。Essential Film Holderは一番下に拡散板がついているので、明るさのムラがない高級な光源を使わなくても、ある程度は光を拡散して均一にライトアップできます。中華製の安いライトボックスや、手持ちのiPhoneiPadでも良いかもしれません。

使った感想

いいところ

画像面をフラットにキープ、画質劣化なし

下の写真の通り、35mmフィルムの画像1つ分の枠が空いており、それ以外の部分をしっかりと固定した状態で撮影できます。他社製品の場合、フィルムを固定している面積が小さく、画像面から遠いところを押さえているのでほとんど反りを矯正できていませんでした。期待通りの効果が得られました。

また、フィルムを通しているプラ板の隙間寸法が絶妙で、フィルムをスムーズに通せるけど、フィルムの反りが発生しない絶妙な高さに設定になっています。フィルムに傷がつかないように、プラ板のエッジはきちんと面取りされていて品質が高い。

スキャンの効率が上がる

他社フィルムホルダーの場合、フィルムホルダー本体をずらしながら撮影してい来ます。フィルムホルダーも完全に平面ではないので、ずらすごとにカメラとフィルムの距離がずれて微妙にピント面がずれていきます。

一般的なフィルムホルダー(画像はlomographyのDigitaliza)スキャンしているときのイメージ

撮影ごとにフォーカス調整しているとスキャンに非常に時間がかかる。。。Essential Film Holderだと最初にセッティングして、あとはひたすらフィルムを押し込む、撮影をしていくだけ。効率が上がりました。

悪いところ

買うのが大変

購入はEssential Film Holderのサイトから行います。2000年代のサイトか?と思うような古臭いサイトから、Paypal決済で支払いました。

なんだか昔なつかしいサイトです。

ここから個人でやっているAndrewさんがパッキングして出荷するので、出荷されたのは3週間後。宅急便ではなく、普通の国際郵便で送られるので時間がかかります。結局発注から5週間くらいでやっと届きました。

手に入るまでは長いですが、パッキングの進捗もメールが届きますし、発送後もトラッキングできるようになっているのであまり心配することはありませんでした。

まとめ

手に入れるまで時間がかかるものの、自分の持っているデジカメでフィルムスキャンがしたい方にはこちらのフィルムホルダー非常におすすめです。今の所、コストパフォーマンス含めてこれを超える用品はないと思います。

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