初めての定番スリーシーズン用寝袋[モンベル シームレスダウンハガー800 #3]と寝袋の選び方

テント泊寝袋の定番 シームレスダウンハガー800 #3

ダウンハガー800 #3。現行の名前はシームレスダウンハガー800 #3

私が初めて買った寝袋、モンベルのダウンハガー800 #3。現在はシームレスダウンハガー800 #3という名前に代わり、寝袋表面の縫い目が廃止された形(名前の通りシームレス)になっていますが、基本的な機能は変わっていません。初めて買う人におすすめできる使い勝手の良い製品なので、どうやってこの寝袋を選んだかも合わせて紹介します。

スペック

1世代前のダウンハガー#3は下限温度-2℃。現行より温度帯が少し低い。

シームレスダウンハガー800 #3は重量555gで、使用可能温度(リミット温度)は-1℃(写真は旧品で設計が少し違うので-2℃)と春夏秋スリーシーズンで十分使える温かさでありながら、500g台と軽量です。軽量な装備で登りたいULハイカーも使える軽さです。それでいて価格は¥34,100と山用寝袋の中でも圧倒的な安さです。

5年間使い続けている信頼の一品

夏のテント泊で使ったとき。サイドのジッパー全開で掛け布団的に使いました。

初めての寝袋として購入してから5年間、普通のキャンプや、縦走登山などスリーシーズン様々なシーンで使ってきましたが、いつも心地よい眠りを約束してくれます。

寝袋に入ってあぐらをかきながら撮影した1枚。ストレッチ性がとにかく快適。

寝心地が良くなる理由として、モンベル独自構造で寝袋自体が大きく伸縮してくれるので、寝返りを打ったり足を曲げたりしても窮屈さがまったくないんです。寝袋に入ったままあぐらをかけるほど伸びます。

ジッパー前回にしたらこんな感じ。ほぼ布団みたいになります。

サイドのジッパーも足元まで大きく開くので、暑い日は掛け布団のようにして使うこともできて、汎用性がとにかく高い。

耐久性も高く、5年ハードに使っても生地が破れたり、中綿がへたる感じもありません。

唯一気になる点は、テント場の環境にもよりますが真夏だと暖かすぎることがあり、もっと薄くて軽いシュラフで軽量化したいと思うことです。これは汎用性を重視して寝袋を選んだ結果なので仕方ないと思います。明確に真夏だけ使うぜ!とか自分は寒さに強い!とかがわかっていない初めての人は、この寝袋を買っておくことをおすすめします。

登山用の寝袋は値段が3〜6万円と高く、選ぶときには非常に慎重になると思います。登山が趣味の人でも寝袋を複数買う人はめったにいないのでは?そんな寝袋を探している人にとって、初めて買う寝袋として自信を持って進められる寝袋です。自分がこの寝袋をどうやって選んだか、最新の製品と比較しながら説明していきます。

寝袋の選び方

寝袋は主に「寝袋の形」と「中綿の素材」で機能が変わってきます。その特徴について説明します。

寝袋の形

寝袋の形は、大きく分けて「マミー型」と「キルト型」の2種類があります。

1. マミー型

ダウンハガーもマミー型です。

寝袋といえば普通連想するのはこの形状ですね。マミー型は体にフィットする形状が特徴で、頭から足元にかけて徐々に細くなっています。このデザインにより、体と寝袋の間に余計な空間が少なくなり、効率的に保温できます。欠点は、体に沿った形状なので窮屈に感じることがあるため、寝返りを打ちたい方や広々とした空間が好みの方には不向きです。市場の寝袋はマミー型が圧倒的に多く、温かさの点からも初めてならこちらを選ぶのが無難だと思います。

2. キルト型

キルト型は、布団のように四角いデザインで、マミー型と違って袋状になっていないません。マミー型のフード部分や、底面(背中側)の生地を省略し、金属部品であるジッパーも省略することで軽量化を図っています。マミー型に比べ 寝たときの窮屈感や圧迫感が少ないのが特徴。生地が少ない分軽いので、ウルトラライトハイキングや夏季キャンプに適しています。欠点はフードや底面の生地を省いた分、単体では保温性がマミー型より低いこと。それを補って保温性を上げるにはマットや他の保温アイテムをうまく組み合わせる必要があり、上級者向けと言えます。

中綿の種類(ダウンor化繊)

寝袋の中綿素材は、主に「ダウン」と「化繊(化学繊維)」の2種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

1. ダウン

特徴: ダウンは水鳥の羽毛を使用しており、非常に軽量で優れた保温性を持っています。

利点: 重さに対する保温性が高いのが特徴。圧縮性が高く、小さく収納できるため、持ち運びに便利です。

欠点: 湿気に弱く、濡れると保温性が低下します。また洗い方によっては羽毛をだめにしてしまうので、化繊と比べるとメンテナンスしにくいかもしれません。

2. 化繊(化学繊維)

特徴: 化繊は、ポリエステルなどの合成繊維を使用しています。

欠点: ダウンに比べると重く、圧縮性が低いため、持ち運び時にかさばります。また、同じ保温性を持たせるためには、ダウンよりも厚くする必要があります。

利点: 湿気に強く、濡れても保温性を保つことができるため、雨や湿気の多い環境に向いています。また、羽毛に比べ手入れが簡単なのも特徴。雨が予想される登山や、結露が心配なときはこちらが有利です。

対応温度

3シーズンとは春から夏、秋までのことで、初めてキャンプやテント泊登山を始めるなら基本はスリーシーズン用を買えばいいでしょう。真冬の雪山などでも使える装備は、そもそも作りが違うので挑戦したくなったときに別で買ったほうがいいです。

スリーシーズン用のシュラフの快適使用温度は5〜0℃前後、最低使用温度が0〜マイナス5℃程度を目安に選べばOK。

初めて買うならマミー型、中綿ダウン、スリーシーズン用の寝袋がおすすめ

市場の寝袋はマミー型が圧倒的に多く、キルトと違って寝袋にだた入れば温かさが保証されるという使いやすさの点でも、初めてならまずマミー型が安心。中綿については、軽さと温かさをまず優先したほうがいいと思うので、ダウンを買っておけば問題ないでしょう。ということでマミー型のダウンシュラフがおすすめです。

寝袋の比較

シュラフ比較 軽くて温かいシュラフはどれだ?

初めて買う人におすすめできる汎用性の高い寝袋選びのために、市場の主要なスリーシーズン用寝袋を比較してみました。使用下限温度(リミット温度)が0~-5℃付近の商品をピックアップして横軸をリミット温度、縦軸を重量、円の大きさを値段にしてグラフにしてみました。(比較した商品のリストは記事の最後にあります)これくらいの温度域であれば、他の衣服なども組み合わせつつスリーシーズン十分使えると思い舞うs。

※Enlightened Equiipmentについては、リミット温度を公表していない(快適とリミットの中間の温度で表記)ので、筆者推定のリミット温度で記載。

青字で書き足した通り、グラフ左下に行くほど軽くて温かい良い寝袋ということになるんですが、X-LITE300、Revelation 850 30°Fなどは他の製品に比べてもかなり性能がいいことがわかります。これは、キルトタイプで重量が軽かったり、ジッパーを省略するなど割り切った設計で軽量な製品にっているようです。

グラフの左上から右下にかけて分布している製品は、「重ければ暖かい(中綿多い)、軽ければ暖かくない(中綿少ない)」というシュラフの原則に則った(今の市場で)平均的な軽量シュラフたちと解釈しています。

シームレスダウンハガー#3 800はこの中でも上位に入る500g台の軽さとスリーシーズンでしっかり使えるリミット温度−1℃ということで、スペックとしては申し分ないです。更に円の大きさを見てもらえればわかりますが、mont-bell製品は他の製品よりも1万円以上安いんです。(mont-bell製品が安さでワンツーフィニッシュ)

テントのときもそうでしたが、スペックに対して価格が安い、モンベル製品とダウンハガー800 #3のコスパの良さがよくわかります。

もちろん、軽さだけでは表せない機能や性能が他にもあるので、気になる製品は詳細をチェックしてみてください。今回はわかりやすく使用温度、重量、値段で比較してみました。

まとめ

テント泊をするのに初めて買ったこの寝袋、春夏秋スリーシーズンのシュラフとして5年ほど使っていますが、軽さ、温かさ、使いやすさで不満がなく幅広いシーズンで使える一品なので、初めて買う人にはおすすめしたい寝袋です。

今回は初めて寝袋を買う人向けに、汎用性の高い製品としてダウンハガーを紹介しましたが、使う場面を絞り込めばもっと軽量な選択肢を選ぶこともできます。実際に山に行ってみて、自分のよく使うシチュエーションを見極めて検討していくと良いと思います。私は今後気温の高い夏場に特化した軽量な寝袋を検討中です。

おまけ:比較した寝袋一覧

ブランド商品名リミット温度
(℃)
重量
(g)
価格
(円)
中綿形状
Sea to Summitスパーク Sp2-249062,700ダウンマミー
イスカエアプラス 450-684044,000ダウンマミー
イスカエアドライト 480-687044,550ダウンマミー
イスカエアドライト 290256033,990ダウンマミー
モンベルダウンハガー650 #3-272026,400ダウンマミー
モンベルシームレスダウンハガー800 #3-155534,100ダウンマミー
キュムラスX-LITE 200035068,200ダウンマミー
キュムラスX-LITE 300-446579,200ダウンマミー
キュムラスQUILT 350-463560,000ダウンキルト
Nangaオーロラライト 450DX-586547,300ダウンマミー
NangaUDD BAG 450DX-482549,500ダウンマミー
Enlightened EquipmentRevelation 850 30°F-454564,900ダウンキルト
Enlightened EquipmentRevelation APEX 30°F-467550,600化繊キルト
OMMマウンテンレイド 233054047,300化繊マミー
筆者が選んだ主要なメーカーのスリーシーズンシュラフを比較しています。

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