この夏から使い始めたモンベルのサンブロックアンブレラ(2023年から商品名がサンブロックアンブレラ55に変わりました)。
日傘自体必要ないと思ってましたが、あまりにも快適すぎたので山での日傘について語りたいと思います。
2022.07.18 日傘に並ぶUV対策の最適解の一つとしてサンフーディの記事も参考にどうぞ。
日傘の必要性
🌲です。自分は今まで山でも日常でも日傘を使うことがなく、あまり必要性を感じたことがありませんでした。
UV対策は山シャツ(もしくはサンフーディ)を着て、キャップを被り、露出してる部分には日焼け止めを塗っています。実際、これで殆ど日焼けしないです。
暑さ対策としても、標高が高ければそもそも涼しいし、傘なんて持ってたら荷物になるからいらないと思ってました。
今回、試しに使ってみたら快適すぎたので、登山で日傘を使っていない方々に向けて実際使ってみて気づいたことをご説明します。
- 体感温度がめっちゃ下がる
日傘を殆ど使ったことがなかったので、初めて真夏の北アルプスで使った時には驚きました。誇張ではなく、日傘の下にいれば建物の日陰に入ったような涼しさを得られます。
- 休憩だけでなく歩きながらでも十分使える
傘は歩くのに邪魔かな〜と思ってましたが、よく行く北アルプスでも日傘をさしながら歩ける場所が多いです。樹木に引っかかったり、風に煽られて滑落する危険がなければ日傘をさして歩きます。
- 登山だからといって涼しい場所ばかりではない
山の上は涼しいから大丈夫と思いがちですが、実際登山口までの移動も含めると、山旅の半分以上は標高が低く気温も高い場所を歩いているのではないでしょうか。最近は北アルプスの稜線でも昼間の気温は非常に高く、体感的には下界と変わらない暑さになります。日傘があれば、登山の多くの場面でより快適に過ごせます。
日傘の候補
サンブロックアンブレラを買うまでに、候補となる商品を調べまくりました。集めた情報をここでシェアするのでぜひ参考にしてください。
通常タイプ
こちらは普通の日傘タイプで、下の画像のようにザックに挿して歩いているハイカーを見かけることがあります。
UL界隈でも人気のおしゃれ傘ですね。自分も最初はこちらのタイプを候補に探してました。かっこいいし。
マーケット上の主要な商品は表の通り。
商品 | 重量 | 直径 | 価格 | |
シックスムーンデザイン シルバーシャドウ | 253g | 94cm | ¥8,900 |
|
シックスムーンデザイン シルバーシャドウ カーボン | 193g | 94cm | ¥12,100 | |
ユーロシルム スイング ライトフレックス アンブレラ シルバーメタリック | 209g | 100cm | ¥7,910 |
スペックのバランスがいいの軽量で直径の大きいユーロシルムが買いですね。傘の専門メーカーだけあってスペックがいいです。シックスムーンデザインのカーボンタイプは一番軽量ですが、高すぎる。
ULハイカーの方々はこちらの2商品のどちらかを使っている印象があります。
折り畳みタイプ
こちらは折り畳み傘のタイプです。折り畳んでコンパクトに収納できますし、重量も通常タイプより軽い。傘を広げる時は少し手間ですが、収納性重視ならこちらのジャンルですね。
ちなみに折り畳んだ状態から開くのは手間ですが、一度開いたら通常タイプのようにザック横に挿して置けるので、折り畳みタイプも十分使い勝手がいいと思います!
マーケット上の主要な商品は表の通り。
商品 | 重量 | 直径 | 価格 | |
シックスムーンデザイン シルバーシャドウミニ | 193g | 96.5cm | ¥10,890 | |
ユーロシルム ライトトレックウルトラ | 175g | 98cm | ¥8,250 | |
モンベル トラベルサンブロックアンブレラ 50 | 130g | 88cm | ¥5,940 | |
モンベル サンブロックアンブレラ 55 | 200g | 98cm | ¥5,720 | |
エバニュー U.L. All weather umbrella | 140g | 85cm | ¥4,500 |
こちらは選ぶのがなかなか難しいと思います。生地の色の違い(シルバー系とそうでないもの)、軽い代わりに直径が小さくなっていたりと、各商品に細かな違いがあります。
ここでめちゃめちゃ悩みました。
どれを選ぶべきか。。。筆者のおすすめは
- 日傘としての性能重視なら → ユーロシルム ライトトレックウルトラ
- とにかく軽いやつが欲しい! → モンベル トラベルサンブロックアンブレラ
- とにかく安いやつで試してみる! → エバニュー U.L. All weather umbrella もしくはノーブランドの安い日傘
- 価格と性能のいいとこ取り! → モンベル サンブロックアンブレラ
ということで、自分は安さと性能のいいとこ取りでモンベルのものを選びました。
実を言うと、モンベルのポイントが溜まっていたでちょうど良かったと言うのもあるんですけどね笑
なぜ上記のチョイスになるのか?重さ、価格で比較することは誰でもできると思いますが、日傘としての性能はどのように比較すれば良いのでしょう?
この点について出来るだけちゃんとしたエビデンスをもとに分析してみました。
日傘の性能は何で決まる?日傘の選び方
日傘の性能はどのように比較すればいいのか?
日傘を使う目的は基本的に、①UVカット、②日射による熱を遮るだと思います。
各社の商品をUVカット性能と、遮熱性能で比較できるか見てみます。
①UVカット性能での比較
- モンベル製品…共通して「紫外線遮へい率90%以上」と記載していて、比較できる数値がありません。
- ユーロシルム…「紫外線保護指数(UPF)は一番高い50+(シルバーメタリックカラーのみ)」との記載。
- シックスムーンデザイン…本国の製品サイトに、「UPF 50+rating」の記載があります。
- エバニュー…情報なし。
ちなみにUPF50+の紫外線遮蔽率は99%以上です。
モンベルはUPFの数値を公表していないので比較ができませんが、サンブロックアンブレラ(シルバーコーティングされたタイプ)であれば同等の性能はありそうです。確実なデータから選びたいのであれば、ユーロシルムかシックスムーンデザインを選んでおけば間違い無いでしょう。
②遮熱性能の比較
遮熱性能に関しては、紫外線でいうUPFのような数値がありません。
そこで、各社のデザイン、材質をもとに各製品の遮熱性能を予測してみます。
根拠となるのはこちらの論文。タイトルは「日傘による暑熱環境緩和効果の実証的研究」!
簡単に概要を言うと、日傘の布部分の材質、布の色で体感温度がどのように変わるのかを実験している論文になります。
こちらの論文で示しているのは、
- ポリウレタンフィルムをラミネート(貼り付け)したタイプの遮熱性能が高い
- 日射を吸収しない素材の方が、日傘自体の温度が上がらないため体感温度が下がる
と言うことです。
1点目の「ポリウレタンフィルムのラミネート」についてですが、これはモンベルの日傘は各タイプでポリウレタンコーティングを使用していることが公式サイトでわかります。(トラベルサンブロックアンブレラ:裏面に使用、サンブロックアンブレラ:表面に使用) 他社は布地についての詳細が分かりませんが、同等の素材を使っている可能性が高いと推測します。
※論文では裏面にラミネートした場合しか測定していませんが、表面であっても同等の効果があると推測します。
2点目の「日射を吸収しない素材の方が、日傘自体の温度が上がらないため体感温度が下がる」については、比較がしやすいです。ご存知の方も多いと思いますが、色が明るい素材の方が日射を吸収しにくいです。アスファルトが日光でアチアチになるのと同じ理屈ですね。強い日光を長時間浴びるほど、この「日射の吸収性」の影響が大きくなるとのこと。
この観点で見ると、シルバーコーティングされた傘は日光を反射するため、日射による熱を最も溜めにくいものと思われます。反射しない布地であれば、より明るい色のものを選ぶと良いでしょう。モンベルのトラベル サンブロックアンブレラ、エバニューのU.L. All weather umbrella(色による)は日射を吸収しやすい色をしてますね。
結局、日傘として性能がいいのはどれ?
結論は、シルバーの生地を使っている、ポリウレタンコーティングされている、ものが性能が良いと思われるので…確実なのはモンベルのサンブロックアンブレラ!
シックスムーンデザインとユーロシルムも恐らく同等の性能がありそう(サンブロックアンブレラと同じ生地っぽい)ので問題はなさそうですが、きちんと公表されてるデータでわかるのはモンベルになります。
まとめ
長々と書いてしまいましたが、ざっくりまとめると、
- UVカットの性能については、比較は難しいが海外メーカーはUPF50+を公表していて安心!
- 暑さ対策で快適な日傘が欲しければ、シルバーコーテイングされたやつが一番いい!
- あとは、傘の直径、軽さ、値段のバランスを見て選べは問題なし!
と言うことで、自分は値段が手頃で、直径も大きい、日傘としての性能が高い、モンベルのサンブロックアンブレラを選んだのでした。
皆さんも、山で日傘を使って快適な登山をしてください!あとこの情報があれば山用でなくても日傘を選ぶのに役立つと思うので活用してね!
買った傘をフル活用していた日光の戦場ヶ原ハイキングの動画を合わせてご覧ください〜
折りたたんだサイズは非常に小さいですし、雨でも安心して使える大きさです。風にも強い。今毎日通勤で使っています笑
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