新素材オクタの実力を山で確かめる[Static Adrift Crew(スタティック アドリフトクルー)]レビュー

話題の素材オクタを使ったウェア、スタティック アドリフトクルー(STATIC / Adrift Crew)を紹介します。

オクタという素材

オクタとは、メッシュとフリースのような起毛を一体化した軽量で暖かい素材です。AIが調べてくれたところでは、「オクタという素材は、帝人フロンティアが開発した特殊なポリエステルル繊繊維です。

中空空糸に8本の突起を放射射状に配列したタコ足型の断面を持ち、保温性・遮遮熱性・吸汗速乾性・軽量性にに優れています。」こんな感じの断面になっていて、軽さ、暖かさ、通気性を兼ね備えているとのこと。

出典:帝人フロンティアHP

最近登山ウェアの用語でよく聞くようになってきた「アクティブインサレーション」つまり「行動中にも切れる保温着」の素材として、保温性、通気性、軽量性を兼ね備えたオクタが注目されてるわけです。

スタティック アドリフトクルー(Static Adrift Crew)の見た目と着心地

アドリフトクルーはスタティックというブランドが販売している、オクタを採用したウェアです。

購入したカラーはTouchwood。サイズはM。見た目はロンTです。生地の外側はメッシュで、内側がフリースのような起毛になっています。重さはわずか110g。価格は執筆時点で¥12,100。

スタティックのアドリフトシリーズには私が購入したクルータイプの他に、フーディタイプ、ジップネックタイプなどがあります。

生地は透けるほど薄いんですが、着ると暖かさを感じる不思議な感覚です。試しに家の中で素肌に着たときには、エアコンの風や自分が歩くときに服を抜ける風で寒く感じるほどで驚きました。これは山でも期待できる。

アドリフトクルーの登山での使用感、サイズ感

筆者は身長175cm体重70kgで胸板少し厚めです。アドリフトクルーのサイズはM

実際に山で着てきました。

この日の装備は、Salomonのパンツ(廃盤、型番不明)、スタティック/アドリフトクルーウールパワー/ビーニークラシック、ザックはノースフェイス/TRロケット、シューズはSalomon/Sense ride 5 GTX、防寒用にPatagoniaのマイクロパフジャケットです。

気温は地上で最低−2度、最高9度の天気。晃石山の頂上では2度という冬の低山でアドリフトクルーを投入しました。

TRロケットも活躍

オクタのあまりの通気性の高さで、素肌に着るのは寒すぎると思ったので、ベースレイヤーにジオラインL.W.を着て、胴体だけ冷え対策でメリノのTシャツを上に1枚。メリノTシャツの上にアドリフトクルーというレイヤリングで登山へ。

アドリフトクルーはゆったりしたサイズ感ですが、オクタの生地があまり伸びないのでゆったりめのほうが動きやすくてちょうど良さそうです。身長175cmでMサイズが丈がジャストフィットでした。ゆったり着たい人はもうワンサイズ大きくしてもいいかもしれません。

山頂付近でマイクロパフを着ているとき

基本はアドリフトクルーで行動して、寒い時はマイクロパフフーディーで温度調節をする作戦です。

登り始めや休憩明けはマイクロパフを羽織ったまま行動し始め、暑くなったらマイクロパフを脱ぐようにして体温調整をしました。オクタで感じたのは、上着を脱いだときの汗冷えによる寒さが少ないということです。

今まで使っていたサロモンの軽量フリース

これまでのフリースだと、暑くてシェルを脱いだときはまだフリースが少し湿った状態のため、汗で冷えていく感じが上着を脱いでからしばらく続く印象でした。アドリフトクルーの場合は、生地自体の吸水拡散性が高いことと、上着を脱いですぐアドリフトクルー自体が一気に乾くことで、全く汗冷えしないわけでは無いですが汗冷え感がかなり軽減されると感じました。

上着を脱いでから、アドリフトクルー+ベースレイヤーで歩いているときは、通気性が高いため暑くなりすぎずオーバーヒートすることがなく快適に歩くことができました。行動中に寒くなったら上着を着るつもりでいましたが、結局休憩時以外はアドリフトクルーだけで問題なし。

ポケットに手をいれてるのは手袋を持ってくるのを忘れたから。。。

休憩中にマイクロパフを着たときは、オクタの保温性をしっかり感じることができ、気温2度の山頂でコーヒー作って飲んでるときも平気でした。

あとは単体で重量が約110gしか無く、Tシャツ1枚と同じくらいなので何も着てないかと思うくらい軽いです。

保温性は今まで使っていたグリッドフリース同等なのですが、オクタの方が軽さと通気性が抜群にいいので、もうフリース持っていかないかも。

これからベストなレイヤリングをいろんな季節で探していきたいと思います。

オクタ素材のウェアのデメリットと注意点

オクタを使ったウェアは驚異的な通気性と暖かさを持つ素材ですが、デメリットや注意点もあります。

  • 素肌に着ると寒すぎて快適ではありません。ベースレイヤーの上から着ることをおすすめします
  • 風が無い場所では暖かさを感じる生地ですが、風が吹いたらとにかく冷えます。ウィンドシェルなどの防寒着も合わせて持つことが必要です。
  • 軽さを優先しているため生地が弱いです。木や枝に引っ掛けると簡単に破れるでしょう。藪こぎなどのあるシチュエーションではシェルを着たほうがいいです。

アドリフトクルーとMHWのエアメッシュの違いは?

アドリフトクルーと同じ生地を使っている製品で、マウンテンハードウェアのエアメッシュシリーズがあります。どちらも同じオクタ素材を使っている製品です。

私は両方とも店頭で試着しましたが、MHWのクルータイプは襟周りが小さく、ストレッチしないオクタ生地そのままなので、頭が襟首につっかえてしまい着づらかったです(着れたけど破りそうでハラハラした)。その点スタティックは襟に伸縮する別生地を張っているので、頭が大きい私でもすんなり着れます。※MHWのフーディタイプなら首まわりがストレッチするようになっています。

マウンテンハードウェアにしか無い特徴は、サムホールがついていること。寒い時期に着るのにはサムホールがあったほうが便利かも。

あとはエアメッシュのほうが安いです。アドリフトクルーは約¥12,100しますが、エアメッシュロングスリーブクルーは約¥9,000です。またMHW製品のほうがセール品が出回っている印象があるので、より安く買うチャンスが有りそうですね。私は首周りのデザインが自分にあっていたアドリフトクルーを選びました。

今後も色々なシーズンで使ってみてまたレビューしてみたいと思います。

まとめ

オクタのウェアを実際に使ってみて、噂通りの通気性と保温性、軽量性に可能性を感じました。夏山にも保温着として積極的に持っていけそうですし、今後もいろんな場面で試してみようと思います。

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