GS645S Professionalの特徴と使い方
Pentax17発売で、またフィルムカメラが話題になっていますね。自分もPentax17発売の少し前からフィルム写真を取る頻度が増えてきて、この度新しくカメラを入手しました。
買ったのは富士フィルムのGS645S Professional、レンジファインダー式の中判フィルムカメラです。1984年に発売されたオールドカメラです。中古相場は5〜8万円程度。
中判フィルム(ブローニーフィルムとも言う)は、一般的な35mmフィルムよりも高さが約1.7倍(6cm)の大きなフィルムのことで、35mmフィルムよりも解像感・立体感のある写真が取れるのが特徴。
中判カメラはフィルム自体のサイズが大きいため、大きく重いカメラ(ローライフレックスやハッセルブラッドなど)が多いのですが、このカメラはレンズ固定であることもありコンパクトで小さい。重量も約760g。軽量なミラーレス一眼と同じくらいの重さで、登山に持っていけるサイズだったのが購入の決め手でした。外装はプラスチックですが、がっしりしています。
搭載されたレンズは60mmF4。これは35mm換算で37mmなので使いやすい焦点距離になっています。独特の保護バーがついたデザインが特徴。
露出計はついていますが、操作はフルマニュアルになります。レンズ周りでISO、絞り、SS、フォーカスを切り替えます。操作系はシンプルで使いやすそう。
ピント合わせはレンジファインダーなので、ライカ等と同じでファインダー中心の小さい円に見える像が重なるようにフォーカスリングを回します。びっくりしたのがフォーカスリングに連動してブライトフレームが動くパララックス補正がついていること。40年前のカメラですが高機能です。
シャッターを半押しすると露出計のランプがついて、「+」「−」の記号で露出オーバーかアンダーかを教えてくれます。「◯」が表示されたら露出があっている印。スマホの露出計アプリと比較しましたが、露出計の精度はめちゃめちゃ正確そうです。
このカメラのもう一つの特徴は6×4.5というフォーマットです。カメラを普通に構えると6cm×4.5cmの縦構図で撮影されます。このおかげで6cm×6cm、6cm×9cmよりも撮影枚数が多く(6×6は12枚、6×4.5は15枚)なり、フィルムのコスト的にも経済的。中版を始めたい人にはちょうどいいカメラだと思います。ハーフサイズフォーマットで35mmフィルムで倍の枚数撮れるPentax17と似ていて、中判VerのPentax17と言っても過言ではない。。。
初撮りに使ったフィルムはLomographyのColor Negative 400。ネットで安く売っていたので使ってみました。買う人が少ない中判フィルムは値上がりが激しいんですが、こちらは3本入りで3480円と安かった。私がいつも現像をお願いしている写真屋さんでも、最近は中版フィルムのお客さんの多くがLomographyを使っているそうです。
初の中判フィルムセット。
35mmフィルムと勝手が違い戸惑いましたが、なんとかできた。
GS645S Professionalの作例
日光の戦場ヶ原でスナップしてきました。撮影時の露出設定はカメラの露出計を信じて行いました。
横位置で撮った花。細かな草木の描写が、中判フィルムらしさを感じます。
ハイライト部分で光が拡散してフレアっぽくなっていますね。これは絞り値で変わるのか、レンズの設計が古かったりコーティングが古いのでこうなってしまうのか、それともフィルムのハレーションなのか?今後も使っていって確認したいところです。
苔の写真ではフィルムとは思えない解像感。強い光が写っていないので、先程よりくっきり写っています。この解像感と奥行き感は35mmカメラでは出せない。
風景では細かい葉っぱまで解像しています。
枯れ木と苔の解像感とフィルムらしい色合いが中判フィルムらしさを感じさせます。標準が縦構図の撮影になるので、ミラーレス一眼に慣れてしまった自分としては新鮮な気持ちで撮影できました。
まとめ:中版カメラ界のPentax17
GS645S professionalは軽量なだけでなく、使いやすさと正確な露出計、何よりフィルムを節約できる6×4.5のフォーマットで初めて中判カメラを買う人にはおすすめです。中古市場にも在庫が沢山あるので気になる人は探してみてください。これから使い倒してまたレビューしていきます。
コメント